【公演中止】シューベルト「冬の旅」再考~時代が呼び覚ますもの~

シューベルト「冬の旅」再考
~時代が呼び覚ますもの~

9月21日(土)Hakuju Hall で開催予定でした『シューベルト「冬の旅」再考~時代が呼び覚ますもの~』は出演アーティストの事情により、公演を中止させていただくこととなりました。
楽しみにしてくださっていたお客様には、深くお詫びを申し上げます。
尚、既にチケットをご購入いただいていましたお客様には、個別にご連絡をさせていただきます。

Hakuju Hall 

(千代田線「代々木公園駅」出口1 /小田急線「代々木八幡駅」南口 徒歩5分)

全席指定 4,000円


【出演】
クレシミル ストラジャナッツ (バスバリトン)
小川 加恵 (フォルテピアノ)

フランツ・ペーター・シューベルト(1797-1828)
連作歌曲集『冬の旅』作品89 D911(全曲)

Franz Schubert “Winterreise” Op.89 D911

1.おやすみ Gute Nacht
2.風見の旗 Die Wetterfahne
3.凍った涙 Gefrorene Tränen
4.凍結 Erstarrung
5.菩提樹 Der Lindenbaum
6.あふれる涙 Wasserflut
7.川の上で Auf dem Flusse
8.回想 Rückblick
9.鬼火 Irrlicht
10.休息 Rast
11.春の夢 Frühlingstraum
12.孤独 Einsamkeit
13.郵便馬車 Die Post
14.霜おく頭 Der greise Kopf
15.からす Die Krähe
16.最後の希望 Letzte Hoffnung
17.村で Im Dorfe
18.嵐の朝 Der stürmische Morgen
19.幻覚 Täuschung
20.道しるべ Der Wegweiser
21.宿屋 Das Wirtshaus
22.勇気 Mut
23.幻の太陽 Die Nebensonnen
24.辻音楽師(ライヤー回し) Der Leiermann

【チケット取り扱い・お問い合わせ】

B-flat Ticket ! https://www.bflat-mp.com/t/

ビーフラット・ミュージックプロデュース 03-6908-8977(火-金 11:00-17:00)


『冬の旅』ほどに複雑で強い情感を呼び起こす作品を演奏するということは、それにあらゆる面でかかわるということだ。1828年に文化という大海原に流された、瓶に入れられたメッセージが、いまに生きる私たちにどんな意味をもつのかを理解することでもある。この作品は私たちの現在の関心事にどう関連するのだろうか? まったく予期しなかったようなかたちでも、私たちとのつながりが見つかるのだろうか?ーイアン・ボストリッジ(Ian Bostridge)著 シューベルトの「冬の旅」(2017)より

フィリップ・ヘレヴェッへ、ベルナルト・ハイティングなど世界的指揮者と数々の共演を行い、現在最も注目されている若手バスバリトン歌手の一人、クレシミル・ストラジャナッツと、NHK「クラシック音楽館」やテレビ朝日「題名のない音楽会」 などにも出演し、国内の主要コンサートホール主催事業に数多く出演しているフォルテピアノ奏者、小川加恵、 68 回カンヌ国際映画祭授賞式オープニングアクトを担当した花房伸行が異色のタッグを組み、シューベルトの最高傑作「冬の旅」を現代の視点から再考し、新たな映像・演出表現によってこれまで経験したことのない音楽体験の機会を提供します!

クレシミル ストラジャナッツ Krešimir Stražanac|バスバリトン歌手

クロアチア出身。シュトゥットガルト音楽演劇大学で学び、数多くの国際コンクールで優勝。2007~13年チューリヒ歌劇場に所属し、現在はコレギウム・ヴォカーレ・ゲントのソリストとして活躍。これまでにサンティ、フェドセーエフ、ハイティンク、ヘレヴェッヘなど世界的な指揮者と共演。日本では16年、ノット指揮、東京交響楽団とブラームス:「ドイツ・レクイエム」で高評を得た。23年にはペトレンコ指揮、ベルリン・フィルとモーツァルト:「戴冠式ミサ」を共演。現在、世界で最も注目される若手歌手の1人である。https://www.strazanac.com/index.php/en/
 
 

小川 加恵 Kae Ogawa|フォルテピアニスト

東京藝術大学、オランダ、デン・ハーグ王立音楽院修了。第16回ファン•ワセナール国際古楽コンクール(オランダ)第1位受賞。ヨーロッパの主要な古楽音楽祭に出演し、日本国内においても各地の主要コンサートホールによる主催公演に多数出演。その他、テレビ朝日「題名のない音楽会」やNHK-BSプレミアム「クラシック倶楽部」など、メディアへの出演も多い。また2021年にはアーリーミュージックエンタープライズ株式会社を設立し、新たな音楽体験を創出するクラシック音楽事業の企画・プロデュースも手がけている。https://www.kaeogawa.com


演出家・映像作家・グラフィックアーティスト
花房 伸行 Nobuyuki Hanabusa

TV、展示映像、音楽ライブなど映像表現を軸に、イラストレーション、ステージ演出など、ジャンルや技法にとらわれず、 独自の表現を展開している。
2012 年に映像とダンスを融合したパフォーマンスユニット『 enra_』を設立。
「第 68 回カンヌ国際映画祭 授賞式」のオープニングアクトとして出演するなど、全世界で高い評価を受け国際的な活動を行う。 2019 年 同カンパニーを退団。
現在フリーのアーティスト、ディレクター、デザイナーとして個人で活動中。
https://www.0229.jp

♦♢使用楽器について♢♦

19世紀ウィーン式ピアノの栄華 〜アントン•シュヴァルトリンク〜

今回使用する“アントン•シュヴァルトリンク( Anton Schwardring )”という楽器は、1835年頃、当時オーストリア帝国の支配下にあったプラハで製作されました。
白鍵は真珠層を持つ貝で彩られ、黒鍵には金箔の下地に鼈甲がかぶせられている豪華絢爛たる様相、そしてピアノ作りの作りの中心であるウィーンの伝統を感じられる柔かさと東欧の香りが感じられる美しい音色が特徴の楽器です。
またこの楽器は、現代のピアノと異なり“ウィーン式アクション”と呼ばれる特別な打弦機構を備えています。それは“跳ね上げ式アクション”とも呼ばれ、打弦側(演奏者側)を向いて取り付けられている軽いハンマーを梃子の原理で跳ね上げ打弦するというシンプルな構造を持っていました。そのためタッチが軽く、音色は明快で華やか、きわめて繊細な指先の動きにも俊敏に反応し、さまざまなニュアンスを引き出すことが可能でした。

さらに、現代のピアノにはないユニークなペダルシステムを備えていることにも注目です。19世紀初頭におけるウィーンのピアノにはさまざまな音色効果を生み出すペダルがついていました。4本~6本のペダルを有し、鐘や太鼓の音が出る楽器なども珍しくはありませんでした。特に“アントン•シュヴァルトリンク”が持つ弦とハンマーの間に布が入り、幻想的な表現効果を生み出す「モデラート・ペダル」は演奏にいっそうの彩りを添えてくれます。