カテゴリー別アーカイブ: 代表の独り言

プチトーク

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長年コンサートの制作やらプロデュースなどをしてまいりましたが、演奏以外でステージに立たされるとは考えてもいませんでした。
春に行うコンサートで、演奏前にゲストを迎えてトークを…と言うことになり、そのゲストとセッションをすることになった。
テーマは「子育てママのコンサートの楽しみかた」

とても深く、難しいテーマだ。
私自身、子供が小さい頃はコンサートは諦めていた人なので、子供連れてコンサートに行くなどと、考えたこともなかった。
これからいろいろな人にもリサーチをして、お客さんにも学んで帰っていただかないと…
私の本音としては、子供は預けて、一人でゆったり聴いて欲しい。
最近のママたちは、何をするのも、どこに行くのも子供と一緒なのね。
だから親離れ子離れができないのかもしれません。
確かに他人に預ける不安が多い時代なのも確かです。
音楽界にも時代の余波が…

再生と展望

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先日イベントで行った現場で、思わぬ話の展開になった。
デパートの中にある映画館が何年も前に閉館となり、今では社内のミーティングと倉庫になっていた。
実はそこがイベント出演者の控室となっていたのだが・・・
150人入る映画館は正面にはスクリーン、ゆったりとした客席、高い天井、一通り揃った音響施設と環境は整ったまま使われなくなっていたのだ。
思わず「もったいない!!!」と、ビルの管理会社の担当者へ感想を述べた所、「どうにもできない」という答えだった。
「どうにもできない」とはどういうことか?
そこを管理する人間を回す余裕がない、元が映画館のため使用用途が限られてしまう。機材が不十分、舞台の袖が無い・・・などなど・・・。
私にしてみれば、そんなのは問題の内に入らないのだが・・。

話を聞いた後、私はその映画館を外部の管理運営会社に任せて、会場を貸し出すことを提案した。
担当者はそこまで考えていなかったのか、とても興味深げに私の提案に耳を傾けて下さり、更には上司の方までもご紹介いただいた。
もちろん、「管理運営は私どもにお任せ下さい」という前提で私は話をしていたのだが・・・。

この場所も、全く問題が無い訳ではない。担当者がおっしゃる様に、ピアノなどの音楽設備がないということは、かなり用途が限定されてしまう。
ならば、逆の発想はどうだろう。巨大なスクリーンと一通りそろった音響設備、近年では理想的な150席の正方形の会場。
しかも、駅前の、しかも百貨店の中に入っている施設という立地条件を生かさない手はないはずだ。
私は、いくつものホールを見て来た。立地条件と施設が全てパーフェクトと思えた会場はそうそうない。(すぐに思い浮かばない)

家に戻ってから、ふと考えてみた。
もしかしたら、全国にはこのような会場が沢山あるのではないだろうか。
ホールを新しく作ることも大切だが、もともとある環境を新しい世代の人たちへ、使用用途を含めて提案して行くべきではないだろうか。
環境が整っていないからこそ、その中でできる「新しい文化」が作り出されて行くのではないか。
そんな事を考えさせてくれる会場だった。
私だったら、あんな公演や、こんな公演を作るのだけど・・・と、また一人頭の中でコンサートを作っては楽しんでいる。

音楽に関わる仕事は、想像だけでも楽しめる、素晴らしいお仕事なのだ!!

コンサートホールを建てる前に・・

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先日、この秋にオープン予定の小ホールへ伺わせていただいた。
まだ、一度もお客様を迎え入れていないホールの独特の匂いと、全てが新しい設備の数々をホールの方に説明を受けながら楽しんだ。
そして、私が行った目的を果たすべく表周りを案内され、このホールでの公演の時にどのくらいのスタッフが必要なのか、というアドヴァイスを求められた。
一見、シンプルでとても問題がありそうに思えないホールなのだが、建物の構造上の難問があることがそこで発覚。
客席横扉から、建物の他の施設から簡単に誰でも入れてしまう構造になっていたのだ。
つまり、一般に開放しているスペースから客席に入れてしまうのだ。
これでは、こっそりどころか、堂々と、ただで公演が見れてしまう。
だからといって、そこに壁を作って仕切る事も今となっては不可能なのだ。
さらに、客席扉は非常用扉のため施錠はできない。
ちょっと考えればこのような致命的な構造にはならなかったはずである。

全国の公共施設担当者。またはそこを管理する市区町村の方々に、声を大にして言いたい!!!!
建てる前に、ぜひ相談して下さい。
税金を使用した公共の施設なのですから、失敗は許されないはずです。
機材等の消耗品はいつかは壊れるのでその都度再検討をすれば良いかもしれませんが、建築物は一度建ててしまってからでは遅いのです。
なぜ、相談しないのか・・・。相談する相手を間違えているのではないか?
著名な音楽家に表周りの事を聞いても分かるはずがありません。コンサートの時は表にはいないのですから・・・。
私は、今までにそのようなホールをたくさん見てきました。
完璧だったホールが今まであっただろうか・・・?

ホールを建てる時は、どこも皆音響にこだわり、専門家に音響設計を依頼します。
そしてロビー周りには美術品等のアートを配します。
でも本当はそれでけではだめなのです。
ホールは建てて終わりなのではなく、ホールを使う時のことも考えて設計しなくてはならないのです。
舞台の裏側も同じです。どんな公演で使うのか様々なことを予想して作らないと、とんでもなく不便なホールになってしまいます。
特に小さなホールは使い勝手が良い程人気は高くなります。
そして大ホールはホールにホールサービスがついている場合、ホール代金にそのサービスのスタッフ分の人件費が含まれています。その人件費はホールの設計に左右されていると言っても過言ではありません。
私がスタッフへいつも言っていることに「お客様の導線を考える」というのがあります。
「導線を考える」とは、お客様がどのように動くかを想像するということ。
これができれば、一番効率良く、お客様に動いていただくことができ、余計なサービスがいらなくなる。そして、何が必要かも見えてくる・・・。
設計の際に、それができていれば問題が起こらないはずなのです。

どうかお願いします。
これからホールを建てようと思っている方々。
設計の段階で、相談して下さい。
長年ホールに携わり、あらゆるホールで仕事をして来た者でないと気づかないことが沢山あります。
そして、皆から愛される良いホールを作って下さい。

スポンサーとアーティストとの共生

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クラシック音楽を始めとして、所謂メジャーではない音楽のコンサートを開催する場合、ミュージシャンが自分の満足の為に行うライブを除いて、そのほとんどが収益を得る為に行われる。もちろん、チャリティとして行われる公演もあるが・・。
ロックやポップスなどのメジャーなアーティストは、「コンサートをやりたい」と思えば、全国の会場でそれぞれスポンサーが名乗り出て、「コンサートツアー」として日本全国を巡る事ができる。全国に、そのアーティストの歌や演奏を待っているファンがいるから実現するのである。
メジャーではないアーティストや特定のジャンルの音楽の場合、1カ所でのコンサートが精一杯となってしまう。もちろん、地方にファンがいたとしても、わざわざ聴きに来てくれるとは限らない。
当たり前の構図と思えば仕方がない事なのだが、そんな精一杯のアーティスト達に救いの手を差し出してくれるスポンサーはどこかにいない物なのだろうか?
アーティストとスポンサーのマッチング、一番の課題である。

しかし、そんな中、スポンサー側とアーティスト側にそれぞれ考え方の違いや社会通念などが絡み合い、まるで「同じ国に住む異教徒」のように分かり合う事はできないのも事実だ。
スポンサー側は、お金を出す事で、そのアーティストを自分達の看板に仕立て上げ、そのアーティストのコンサートを聴きにくるお客さんに、最大の宣伝をすることが出来る。
アーティストは、言うまでもなくコンサートに関わる経費の一部を負担してもらう事ができ、より収益を増やす事が可能である。
しかし、良い事ばかりではない。
スポンサーの思い通りの集客が見込めなかったり、アーティストが要望と違うコンサートにしてしまったり・・・。
アーティスト側は、自分のやりたい内容で公演をやらせてもらえなかったり、スポンサーからの要望が自分のイメージと違っていたり・・・。
お互いなかなか自分の思い通りに進まない物なのである。

そこで問題です。
お金を出しているスポンサーが偉いのか?それとも最高のパフォーマンスを提供できるアーティストが偉いのか?(まるで卵と鶏のようだが・・)

答えは、「両方」。
そう、お互いが「感謝」し合わなくては成り立たない関係なのだ。
天秤で釣り合っていなくてはならない。
この関係が、ちょっとでも傾いた時にこの「関係」は崩れてしまう。
このことを、きちんと理解してくれるアーティストとスポンサーを募集したいと思う。
我こそは!と思う人や企業はぜひ名乗り出て下さい!

次の事業計画として、アーティストとスポンサーをマッチングさせるコーディネートを考えたいと思っている。
最近注目を集めている企業の「命名権」のように、個人のレベルでもスポンサーとして後援してくれる力が今必要なのです。

アーティスト達が会場費用を気にしないでコンサートを開催できる、そんな時代が早くやってくる事を願いつつ・・・。

音楽ビジネスの変貌

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新しくできたコンサートホール等でお仕事をすることがある。
デザインは昔に比べて洗練されていて、かなり施設にお金をかけている。
しかし、デザインや音響ばかりに気を取られて実際に使用する人や、ホールに足を運ぶお客さんのことを考えていないのだ。
果たしてそれで良いのだろうか?
ホールは自主企画と言う主催公演をどこも行っている。
有名な演奏家を呼んで、演奏会を開くことでホールのイメージアップと地域住人への文化貢献ということらしい。
これはとても大切なことだと思う。これがなければ演奏家達は、自分でホールを借りてコンサートを開催しなければならないからだ。
実は、一昔前はそんな状況だったのである。もちろん演奏者自身がコンサート会場を予約して・・というのではなく、専属の音楽事務所がマネージメント、あるいは主催という形でコンサートホールを借りてコンサートを行うことが多かった。
今ほど公共ホールがなく、所謂市民会館的な施設で、歌謡ショーや発表会等を行うことで会場が利用されていた。
会館が主催してコンサートを行うということはあまりなく、むしろ大物の借り手が多かったのだ。
バブル崩壊後に批判された、ハードにお金をかけてソフトが問題といわれるホールは、慌てて有名な演奏家を呼んで、地元の住人への「文化貢献のためのホール」であることをアピールした。
その辺りから、全国的にホールの主催公演が増え、赤字の公共ホールも増えてしまったのだと推測している。
そして、公共ホールの方々の話を聞くと、結局自主公演をしても公共事業のためチケット代金を高くすることが出来ず、赤字は埋まらず、むしろ予想を下回って売れなかった公演があった場合は、赤字が増えてしまうことになるのだ。
何のためにホールは自主公演をしなければならないのか??
最近の私のテーマになっている。
最初の、ホールを利用する人や来場のお客さんのことを考えていない・・というテーマからずいぶん反れてしまった。
こちらについては、また次回・・・

代表の独り言

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今まで、代表としてあまり表に出ることがなかったのですが、やはりそれでは良くないのではないか・・と、心を改めることにしました。
そして、今まであまり公表していなかったプロフィールも、簡単ですが公開することにしました。
基本的に現場に立っていることが好きな私ですので、出来る限りコンサート会場の入口付近や、アーティストが演奏をしているステージの袖に立っていることが多いのですが、最近はスタッフ研修や、NPOの方より音楽プロジェクトのアドヴァイスを求められたりと、仕事の内容に変化が出始めている。
自分の過去を振り返ると、演奏家→イベントプロデュース→コンサート企画制作→コンサートホールレセプション→音楽ホールプロデューサー・・・と、次々と移り変わっているように見えるが、その一つ一つの仕事が全てに関連付けされていて、また全てが音楽と言う物の為に必要な仕事なのである。
今では、それらの仕事を総合的に担当することもしばしば・・。
周りを見渡しても、自分と同じようにあらゆる業務をこなして来た人はいないのではないだろうか。
だからこそ、最近意見を求められることが多いのかもしれません。
研修だけでなく、講演会でもやろうかな・・・