2006年のスイス映画。
「僕のピアノコンチェルト」は邦題で、原題は『VITUS』。主人公の少年の名前だ。
なぜ、この邦題をつけたのか…この映画を見た人なら誰でも疑問に思うであろう。
内容とあまりマッチしていない…
内容は、計測不能の高いIQを持つ天才少年がピアノの才能を見いだされ、親や周りからのプレッシャーや才能故の孤独を唯一理解してくれる祖父との時間の中で成長して行く。
ある日「他の人間になりたい。普通の人に」と苦しい胸のうちを吐き出すヴィトス。そんなヴィトスの姿を見たおじいちゃんは「決心がつかなければ、大事なものを手放してみろ」と語る。
そしてヴィトスが手放そうとしたものは…
この映画の凄い所は、このキャストが揃わなければ実現しなかったであろうことだ。
主役のヴィトス役のテオ・ゲオルギューは、数々のコンクールでも華々しい成績を残し、音楽学校でピアノを学ぶ本当の天才少年である。
母親が女優であったことで演技の才能も受け継がれたようだが…
通常音楽ものの映画は、主役は「弾きまね」による演技がほとんどで、共演者だけは実際に演奏していたりという場合が多いのだが、この映画は主役が本当に弾いている!!!
イタリア映画やフランス映画を見ているような、ゆったりとした雰囲気がまた素敵です。
おすすめの作品!!
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ブラス!(Brass!)
原題「BRSSED OFF」 1996/イギリス
イングランド北部ヨークシャーの炭鉱夫のブラスバンド(金管バンド)が、ロントンのロイヤル・アルバートホールで披露するまでの苦闘物語。
「炭坑の金管バンド」という設定がものすごくガテンなイメージでマッチしていました。
木管楽器は入らなくて正解。
炭坑の閉鎖で、仕事を失うかもしれない不安を抱えながらブラスバンドのコンクールに向けて練習する中、「今は音楽をしている場合ではない」という考えからコンクールを断念しようとするメンバー。
しかし、指揮者とバンドのメンバーたちが音楽という素晴らしい絆で再び楽器を手に、ロンドンのアルバートホールでの全国大会に挑む。
日本にも社会人吹奏楽団やアマチュアオーケストラが沢山あるが、会社が倒産の危機に立たされた時に、果たして演奏を続けることができるのか…と、ふと考えさせられる映画でした。
指揮者ダニーの為に、暗闇で演奏した「ダニーボーイ」には涙が出ました。
この映画は、実際に南ヨークシャーの炭鉱町だったグライムソープにある、グライムソープ・コリアリー・バンドにまつわる実話を元にしているそうだ。さらに、演奏シーンではメインのキャスト達と一緒に、グライムソープ・コリアリー・バンドのメンバー達が出演していて、サウンドトラックも彼らの演奏によるものだそうだ。
素晴らしい演奏でした。
この作品のよいなと思った点は、主役や主な登場人物が、決してトランペットではなかったこと。
主役がトランペットではいかにも「主役だから目立つ楽器やってます」というイメージで、しかも演奏シーンで必ずボロが出てしまう。
フリューゲルやテナーホーンなど、あまり日本では馴染みのない楽器で、決して花形楽器ではない(失礼;)からこそ、映画を見ていても違和感なく見れたのだと思います。
楽器やってる人が音楽もの映画を見た時、演奏シーンがあるとどうしても、「う〜ん、ちょっと違う…」と、興ざめしてしまうのですよね。
ちなみに、一番若いメンバー(たぶん)のアンディーを演じた、ユアン・マクレガーは、『スター・ウォーズ』の若かりし頃のオビ=ワン・ケノービ役のあの人です。
指揮者のダニー役のピート・ポスルスウェイト氏は、何度見てもいかりや長介さんに見えてしまって…いや、彼はイギリスのシェイクスピアなどの舞台出身の素晴らしい役者さんです。スピルバーグの「ロスとワールド/ジュラシックパーク」にも出演されています。
残念ながら今年(2011年)1月にお亡くなりになったそうです。
音楽もの映画
毎日何かしら書くと決めた以上、何か書かなければいけないのだけれど…
そんなに毎日話題がないので、「音楽もの映画」のカテゴリを増やして、こちらでご紹介してゆくことにします。
私の場合は、残念ながら映画館に映画を見に行く時間的な余裕がないので、もっぱらホームシアターでの鑑賞です。
DVDになるのをひたすら待っているしかないので、こちらでご紹介しても既に話題としては古いと思われますが、許してくださいませ。
もし、こちらで紹介する作品でまだ見たことのない物が出て来たら、ぜひ見てみてくださいね。
ご感想などもお待ちしています!
ちなみに、過去に見た作品のなかから順不同で思い出したものからご紹介します。